オトコもオンナも、見かけじゃないのね。
昨日は、仕事納めなのか、あいさつ回りなのか、大阪市内の車道は、とても混んでいた。
今日で、オワリというところも多いだろう。
明日は、大そうじで、これでオシマイというところもある。
「世間的には、どうなんですかねえ?」
と、あるミドル男性。(40歳ぐらい?)
いろいろ、とてもよくご存じ。
営業であちこち回っておられるので、目で見、耳で聞き、土地を見、人を見る。
日本の過去?現在?未来。
人や、モノの動き、土地の動きで、微妙なところを直接、現場の空気や肌で感じ取る。
「今の若い人は、車を持たない生活が、ステータスなんです。
車がなくても、やっていける便利な生活を送ることが望まれています。
僕たちの世代は、車に憧れたものですが、違うんですね」
忘年会もない、飲みにも行かない、
休日は、朝早くから起きて、ゲームと一日中、格闘。
それが、若いひとたちの充実した休日の過ごし方だと仰る。
休日ぐらいは、人間相手から解放されたい?
旅行も行かない。
家も、プラスアルファは、求めない。
標準で十分。そのお金があれば、他にまわす。
キーワードは、「おうち」、「自然志向」、「標準仕様」。
べつに人と変わったことをオーダーメードしてまで、頑張らない。
このミドル氏は、ご自分のことはほとんど語らない。
下町生まれ、下町育ち、
「僕は下町の人間ですから、高尚なことは一切わかりません」
その一本やり。
「僕は、乗り物好きなんです」
いかにもクルマ好きというかんじの黒光りした、内装もオール黒革張りのBMWを乗りこなす。
どっしりした安定走行、重く響くエンジン振動、
内臓の奥まで、ず、ず、ず、と来るかんじは、ある種独特の上質の味わい。
クルマの虜になるのは、よくわかる。
このひとは、若い人たちや、下町以外の人とは、はっきり線引きをしておられるようだ。
話のちょっとしたところに、それを感じる。
わたしとの共通点はないのだが、話していると何時間でも話は続く。
なぜなら、彼は営業だからだ。
営業のひとって、話がうまいとつくづく思う。
まるで、共通点があるような、話が合うような、前々から知っているような、そんな錯覚を感じさせる。
それは、お客さんに合わせているから、お客さんの興味のありそうなことばかりを選んで話しているからだ。
その自然に見える絶妙なテクニックさゆえ、お客さんは、それを勘違いして、
自分自身がいろんな世の中を知っていたり、あれこれ知ったり体験したりしているかのように感じ
なんだか、良い気持ちになる。
それが、「手」、なのだ。
営業といっても、単にやみくもに、モノを売る営業はだめ。
例えば、語学だけができる、こういう人は、通訳や、翻訳、語学系の教師をすればいい。
専門がある上に、さらに語学ができると、奥行が出る。
鬼に金棒。
それと同じで、営業にも、「企画営業」などもそうだが、
専門を持ち(例→国家試験?有資格者)、その分野の営業をする人、
そういう人の営業は、お客さんの相談にもちゃんと乗れるし、その分野自体の経験も積んでいるので
話に実用性や、信憑性、実効性、重みがあり、中身が濃い。
このミドル氏は、初めてお会いした時は、う、うう、う、となるぐらい、わたしの嫌いなタイプだった。
でも、彼氏や結婚相手を探しているわけではないので、
ビジネス内容、対応が、いかに誠実で真面目で、ミスがないか、それにつきる。
(分野によっては、提案性は、不可欠)
あとは、フリートークのおもしろさ、個性、話題性、爽やかさ、言葉づかい、
そういうものが加味されたら、ばっちり。
だてに、ミドルではない。
そう感じた。
わたしも、見た目や第一印象をひっくり返すぐらい、
中身の濃い、そういうキャラクターになりたいと思った。
それには、やはり、中身を磨かないと無理だ。